art.78 所有という概念

「月に9万も家賃を払うなら買った方が得だよ」

桜が咲く遊歩道を歩いていたらそんな声が聞こえてきた。

お酒も入って多少気分もよかったのだろう。

家賃だけではなく、月収までも大声で話ていた。

家を買ったことも買いたいとも考えたことがない僕には、それが得なのか損なのかはわからないが、それよりも不思議に思ったことがある。

人はなぜ所有をしたいと思うのだろうか?だ。

 

例えば家を買うとする。

支払いが終われば無事持ち家だ。

家賃などは払わなくて済む。

でも税金はかかる。

仮に固定資産税を払わないとする。

その結果、差し押さえされ競売にかけられる。

自分のものなのになぜか勝手に売られるわけだ。

これを所有というのだろうか。

そして、人はなぜそんなものを持ちたいと思うのだろうか?

 

別に家を買うことを否定しているわけではない。

ただ35年もローンを組んでまでして、自分は一体「何を」所有したいと思っているのかはわかっていた方がよい思う。

桜色の夜空を見上げながらふとそんなことを考えた。

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