小中と柔道をやっていた。
自分の弱さを認めるのが嫌で、半ば逃げるようにやめてしまった柔道だけど、それでも柔道をやった経験は自分の宝だと思う。
子供だったから「柔能く剛を制す」も「人に勝つより、自分に勝ちなさい」もわからない。
ただ楽しいから毎日道場に通っていた。
そんな僕でも月日が経つことで、ほんのちょっとだけわかった気にはなれるもの。
道には終わりがない。
別に柔道のことを言っているわけではない。
普段歩く道のことだ。
道を歩く。
道中誰かとすれ違う。
方向が一緒なら共に歩くこともある。
でもいつかは「またね」と言って別れる。
また会うかもしれないし、会わないかもしれない。
そしてまた誰かと出会う。
そう、道とは終わりはないのだ。
きっと柔道にも終わりはないのだろう。
道と同じように。