art.95 おばさんの恋

最近よく行くカフェに常連のおばさんがいる。

そのおばさんは毎日足繁くそのカフェに通う。

その目的はただ一つ。

好きな男性バリスタがいるからだ。

なぜわかるかって?

尋常じゃないくらいのラブ視線を彼へ注入し続けているから。

そして、そのおばさんは年甲斐もなくといったら失礼だが、バリスタと話すときは、びっくりするくらいの甘え声で話す。

その声を聞いた周りの客は必ず二度見する。

それほどの甘い声・・・

 

そんなおばさんはカフェにいる間は、彼の姿をずーっと目で追っている。

その視線の先で、バリスタが若い女性のお客と話し込んでいるところを見るや否や、おばはんは、幼き子が見たら絶対に泣くであろうなまはげの如く恐ろしい表情を浮かべる。

おばはんの恋心を他人が兎や角いう必要はないが、その鬼神のような表情はやめたほうがいいと思う。

だって怖いから・・・

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